オールジャンルの役柄を、パーフェクトにこなせる現代では無敵の大女優。
アンジェリーナ・ジョリー。
彼女の凄さは、出演する作品を、ことごとく「世界中で」大ヒットさせられる魅力と力量だと思うの。
…で、話は本作品。
『チェンジリング』
私は、映画館鑑賞では無く、DVDが発売されて購入。
家で鑑賞する事が(しかも一人で鑑賞が)好き。
泣きたい時は、人目を気にする事無く、号泣が出来るし、大爆笑も出来、トイレ一時停止も出来るから(笑)
しかも、映画館で既に鑑賞済みの友人に、わざわざ「ラストのオチと総合感想」を聞いてから、観るタイプなの(変よね)
私が観る前に、チェンジリングを観た人、数人の感想を聞いたら…
「約80年前の事件、実話を元に製作されたみたいで、息子が一時、行方不明になり…無事に帰ってきたと思ったら『別人の息子』だった。事件を、なしくずしにしようとする当時の警察や世相、女性軽視に対して…更には本当の息子捜しの為に、闘い抜く女性の話…」
↑こちらを、ふまえて私は鑑賞。
…所が、観ている途中で、事件当時の時代背景や、事実を、なんだか「映像や台詞にせず」観ている者の想像にまかせる部分が多数。
パーフェクト・キャスティングの見事な演者陣。
また…私レベルの稚拙な言葉では、誠に表現しづらい内容に私は…ガクガクとしてきたのよ。
「…?」
すぐに気付いたのが、犯人役の、ヘアメイクとスタイリング。
『そういう人…』
まさに特有の雰囲気…
他の男優陣の時代(流行)との微妙な「ズレ」に、妙な「垢抜けさ」加減。
こちらの作品は、かなり重く泣けてしまう事を、凄く覚悟の上、実際に起こった…
【コリンズ事件】
…の文献を、検索し、読した後に観て頂きたい作品。
既に鑑賞した人でも、本当に、この作品の意味とメッセージを知り、驚愕し、考察出来る事と思います。
ガクガクした理由。
実は私も、6歳の時に…
軽トラックに乗った男。
今、思い出してみると、確実に本作品の犯人と同じ匂いのする人間。
…に、映画と同じ言葉で、連れられそうになった事があったわ。
私は当時、頼りない、ポワ〜ン、フワフワっとしている淡い子でね。
『その時!!』
8歳の姉が、猛ダッシュで走ってきて、大人の男に有無を言わさず、私の手を取り助けてくれたのね。
あれこれ幼い頃の事を、思い出してみるんだけれど…
強く逞しい姉が居なければ。
あと、そういう時に限り、運良く私を可愛がってくれていたり、遠目でも気にかけてくれている知り合いの方が偶然「瞬間を」見た時、体裁を気にせず救ってくれなければ…
多分、弱者で子供の私は、正直、何らかの事件に巻き込まれて…生きていなかっただろうと思うわ。
↑そういう体験を、サラッと書いて(言えて)しまえる歳になりました。
愛する子の為、人生の全てを尽くしてくれる行動の、母親をも強く感じる視点は重厚。
極悪非道な事件と時代、人間のエゴと立場、差別…様々なメッセージが込められた本作品です…が。
せめてもの救いは。
繊細で人心を想像出来る、優しい人柄であろう監督。
クリント・イーストウッドの手によって、作られた事が最大の慈悲だと思うの。
2008年作品。
問答無用の百点。